オートミールとは? 栄養や種類について解説

オートミールとは

オーツ麦(えん麦・からす麦)を調理しやすいように加工した穀物製品のことで、おもにイギリスやアメリカでお粥などに調理され、朝食の定番として食べられています。
アメリカでは、それを使ったお粥のことをオートミールと呼ぶこともあります。

最近日本でも「調理がしやすくヘルシー」ということで、食事に取り入れる人がが増えています。人気が上昇しているオートミールですが、知れば知るほど、いいことがいっぱい!
オートミールの特徴をくわしく解説していきます。

オートミールのアレンジ料理

オートミールの栄養

オートミールは製品になる過程で、精白をされていません。
お米で言う精米をしていない玄米のような状態から、さまざまなオートミール製品に加工していきます。そのため、オートミールは外皮や糠などが残った全粒穀物。栄養価が高く、タンパク質やミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。

オートミールの栄養価について、お米や玄米と比較して見ていきましょう。

カロリーと三大栄養素

100g中 オートミール 白米 玄米
エネルギー 380 kcal 353 kcal 358 kcal
タンパク質 13.7 g 6.1 g 6.8 g
脂質 5.7 g 0.9 g 2.9 g
炭水化物 69.1 g 77.6 g 74.3 g

ここで注目したいのは、オートミールのタンパク質の量が多いこと。
日本人は、タンパク質不足だということをときどき目にしますが、主食にタンパク質が多く含まれるのは、うれしいことですね。お粥にすると食べやすいので、タンパク質が不足しがちな高齢者にもおすすめです。
カロリーはオートミールが一番高いですが、オートミールは水分を吸わせて食べることが多く、一食、40g程度(カロリー152kcal)となります。

1食分のカロリー比較

1食分 オートミール
1食分

(調理前40g)
白米
茶碗軽く1膳
140g
玄米
茶碗軽く1膳
140g
カロリー 152 kcal 235 kcal 231 kcal

上記の表のご飯と玄米は、軽く盛ったときの1膳分ですので、ご飯の並盛りだと160gで269kcalもあり、ごはんをオートミールに変えれば、カロリーを大幅ダウンできます。

食物繊維の内訳

100g中 オートミール 白米 玄米
水溶性食物繊維 3.2 g 微量 0.7 g
不溶性食物繊維 6.2 g 0.5 g 2.3 g
合計 9.4 g 0.5 g 3.0 g

オートミールの食物繊維は、玄米の3倍、お米の19倍あります。
そのうち、注目の水溶性食物繊維は、玄米の4倍、お米の6倍です。
オートミールが健康食と言われる一番の理由は、この食物繊維の量にあります。

ビタミン・ミネラルの比較

100g中 オートミール 白米 玄米
ビタミンB1 0.2 mg 0.08 mg 0.01 mg
ビタミンB2 0.8 mg 0.02 mg 0.04 mg
カルシウム 47 mg 5 mg 9 mg
マグネシウム 100 mg 23 mg 110 mg
亜鉛 2.1 mg 1.4 mg 1.8 mg
3.9 mg 2.1 g 0.8 g

マグネシウムは玄米に劣りますが、その他の栄養素は、オートミールが一番です。もちろん製品の加工方法により、失われる成分も出てくるとは思いますが、オーツ麦の栄養価は非常に高いことがわかります。

オートミールは健康食

βグルカンは注目の成分

上の栄養成分でも書いたように、オートミールが健康食として注目されている一番の理由は、食物繊維の多さにあります。
オートミールには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が理想とされる1:2の割合で含まれ、中でも水溶性食物繊維のβグルカンは、お腹の中でゲル状になって消化器官をゆっくり移動し、糖質やコレステロールを包み込むように吸着して、対外に出す働きがあります。
腸内環境の改善やコレステロール値の改善など、生活習慣病の予防などが期待されています。

不溶性食物繊維は水分をたっぷり含んで便のカサを増し、腸の動きを活発にして余分な食べ物の排出を促します
また、オートミールは血糖値の上昇が穏やかな低GI食品とされ、ダイエットにも人気があります。

オートミールの種類

オートミールは加工の段階により、種類が分かれていて、調理時間もそれぞれ変わってきます。
調理時間はお粥にする際の目安となる時間です。

オートグローツ

オートグローツ
これはオートグローツやホールオーツと言って、外側の食べられない皮をはずして(脱穀)、ゴミや汚れなどを取り除いた、オートミールに加工される前の段階のもの。このままでは調理に大変な時間がかかります。

スチールカットオーツ

スチールカットオーツ
オートグローツを、調理しやすくするために数個にカットしたもので、ピンヘッドオーツ、アイリッシュオーツとも呼ばれています。
カットはしてありますが、オートミールの中では調理に20~30分と一番時間がかかってしまうのが難点ですが、味はナッツのように香ばしく、噛み応えがあり、腹持ちが良いなど、一般的なオートミールとは違った特徴を持っています。
日本でオートミールというと、押しつぶされた(ロールドオーツ)が一般的ですが、この伝統的なスチールカットオーツにこそ、オートミールの本物のおいしさがあるかもしれません

ロールドオーツ

ロールドオーツはさらに調理がしやすいように、オートグローツを蒸してから圧延した押し麦の形です。ロールドオーツには、オールドタイプとクイックタイプがあります。

オールドファッション


レギュラーオーツとも言われ、オートグローツを蒸してから圧延したもので、調理時間の目安は鍋で5分、レンジで2~3分です。歯ごたえが残っていて、グラノーラやクッキーなどにも使用されることが多いです。

クイックオーツ

クイックオーツ
ロールドオーツをさらに細かくしたもので、断面を増やし調理時間を短くしたもの。
歯ごたえは少なくなりますが、調理時間は鍋で2~3分、レンジで1~2分と早くできることが利点です。
日本で売られているものの多くは、このタイプが多いです。

インスタントオーツ

インスタントオーツは調理をしてから乾燥し、味付きで売られれていることが多く、そのまま食べられたり、シリアルのように牛乳をかけるだけで食べられるもの、お湯をかけるだけのものなど、さまざまです。インスタントオーツと、クイックオーツの境目がメーカーによって違ったり、結構あいまいな場合もあります。

オーツ粉


オートミールを粉にしたもので、スムージーやヨーグルトに加えたり、パンケーキ作りやシチューのとろみ付けなどにも使えます。
粉を使いたい料理の際に、ロールドオーツをフードプロセッサーやミルなどで粉にすることも可能ですが、オーツ粉はその手間が省けて便利です。

オートブラン

オートブラン
オートブランは、燕麦の外皮の粉で、いわゆる「ふすま」です。
皮の部分なので、オートミールよりも食物繊維が豊富です。
そのままでは食べにくい味ですが、パンの生地に混ぜたり、ヨーグルトやスムージーに混ぜるなど、オートミールよりも少量で食物繊維をたくさん摂ることができます。

はじめてオートミールを食べるなら

調理が簡単で、歯ごたえも少し残っているロールドオーツがおすすめです。
耐熱容器に、ロールドオーツとお水を入れて、電子レンジで2~3分温めてやわらかくしたら、ハチミツとシナモンで味付けしたり、梅干しや昆布茶、しょうがなどを入れるだけでも、即席ポリッジ(お粥)の完成です。
メーカーによって加工の具合が違うので、最初は固かったり、柔らかくなりすぎたりすることがありますが、調理は簡単だから、好みの固さはすぐに見つかり、新しい味付けもどんどん発見することができます。さあ~ Please try it !

ロールドオーツ
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